「今日はプール掃除なんだよ。」
それは昨日のこと。
高学年になった次男は少し得意げな様子で私に言いました。
「持ち物は・・・水着とタオルとヘルメット。」
「ヘルメット?!そうだよね、半年以上も使われていないプールの底は藻でヌルヌルだものね。滑りやすいからね。気をつけるんだよ!」
母は確かに言いました。
次男さん、学校から帰ってくるとすぐに「プールで滑って転んだんだよ。」と報告してくれます。
訳を尋ねると、プールサイドから飛び降りたとか。
「それは、滑るよね、絶対!」
頭は打たなかったものの膝に軽い擦り傷がありました。
それでも、楽しかったのか、おしゃべりは続きます・・・。
いよいよ、今年もやってきます。
プールの季節。
思い起こせば、次男にせがまれて、昨年は何度も近所のプールに出かけました。
休日も仕事ですが、2時までには終わります。
プール終了の4時までの間が私たちのプールタイムです。
姉兄の時はまだ恥じらいというものが強かった私です。
車で40分かけて隣のさらに隣の街にあるプールへ連れて行っていました。
プールで知っている人に会うことが恥ずかしかったからです。
それが、昨年たまたま行った時に臨時休業だったのです。
浮き輪を膨らませ、水着も準備して出かけた私と次男は帰るに帰れず、私の意に反して近くのプールに行くことになりました。
行ってみるとやはり近いに越したことはないという結論に達し、それからは毎回その近所のプールです。
次男は私にも「一緒に入ろう!」と誘ってきます。
もう4年生なんだから・・・と思いつつ、子供の希望を叶えるべく意を決して水に浸かります。
誰にも会いませんように、なんて思っていると会ってしまうものです。
次男の同級生がお母さんと来ていました。あちらはお子さんだけで入っています。
お母さんはプーサイドの休憩スペースの日陰でスマホを見たり、本を読んでいます。
こちらはメイクも落ちかけ、水に浸かっている状態です。
「こんにちは。一緒にどうですか?」
思わず、出た言葉ですが、100%入らないでしょう。
いいんです、私が入りたかったのですから。次男が満足してくれればそれでいいのです。
10年前、姉達にもやってきたことですから。
ただちょこっと歳を重ねて体が重くなっただけで・・・。
次男が笑ってくれればそれでいいのです。
しばらくすると次男がトイレに行き、私は一人プールに取り残されました。
子供といるからまだ体裁が保てます。
一人になったら、単なるダイエットのおばちゃんです。
ええい、どうせなら痩せてやる!!そんなやけっぱちな気持ちになり、本気で水中エクササイズに取り組みました。
流水プールでの水中ウォーキングです。
流水の力で前に押し出され、思った以上に速度が早い。ただ流されているとも言えるその状況に、しっかり運動した気分になったところで、ふと次男のことを思い出しました。
流水プールでお互いを探す2人。
それはもう、追いつくわけがありません。3周目に差し掛かったところで、プールサイドから探せば早いということに気づきました。というより次男に追いつくはずがない事にようやく気づきました。
私はプールから上がり、次男を探しました。
いました、すぐ後ろに。
もうすぐで追いつかれるところだったようです。
そんなこんなで次男とのプールは楽しい思い出となりました。
が、しかし、体力を消耗するのです。帰った後はグッタリでした。
さて、今年もやる気満々の次男です。
ただ、今年は「お母さんは入らなくていいよ。」と言っています。
それはそれで淋しい私です。
もしかしたら、灼熱のプールサイドに耐えきれず、今年もプールに浸っているかも知れません・・・。