我が家の次男は超がつくほどの怖がりだ。
特に夜の暗闇が怖い。
最近は、それを隠すかのように適当な理由をつけて私を呼びつける。
「怖いからついてきて!」以前はよく言っていたのに、少し、恥ずかしくなってきたようだ。
誰もいない部屋に行く。
暗い廊下を通ってトイレに行く。
一人でお風呂に入る。
ふざけて驚かそうものならば、本気で怒ってくる。
幼い頃の出来事だが、
次男はよく私の顔の顎の辺りを触ってきた。
くすぐっているのだと思っていたら、どうも様子がおかしい。
実は私が偽物で、仮面をかぶっているのではないかと疑っていたのだ。
要するに仮面を剥がそうとしていたのだった・・・。
確かにくすぐるよりもかなり強い力だった。
痛いくらいに。
その頃よく見ていた名探偵コナンの影響だったらしい。
「僕の誕生日は?」
「おばあちゃんの名前は?」
「住んでいるところは?」
変な質問もそのためだったのかと後から聞いて、胸に落ちた。
「お母さんは本物?」
「本物だよ。お母さんだよ!!」
子供に本物かどうか疑われるなんで聞いた事がないが、仕方がないので、しばらくは次男のために本物アピールをする事になった。
次男の名探偵コナンのブームが過ぎるまで、それは続いたのだった。
怖くないふりをするようになった次男だが、寝る時はまだ隣にして欲しいらしい。
「怖い夢を見るんだ。」
そう言って、私の手を握ってくる。
そんな時は、手を繋いで寝てあげる。
いつかその手は離れていく。
今はまだ、私の役割があるようで、怖がりの次男にちょっとだけ感謝だ。