思考の迷路
子供の頃の私はちょっとした事でもくよくよ悩む子でした。
先生や友達から言われたこと。
学校での嫌いな行事。
苦手な人のこと。
答えの出ないことをグルグル考え、思考の迷路に入ってしまうのです。
そんな時、忙しい両親の代わりに話を聞いてくれたのは祖母でした。
そして決まって「ことわざ」や「古人の言葉」で私の心に寄り添ってくれました。
「為せば成る為さねば成らぬ何事も。」
いつも祖母が私に言ってくれた言葉です。
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
これは上杉鷹山(うえすぎようざん)という江戸中期の大名、米沢藩9代目藩主の歌です。「やればできる、やらなければできない、何事も。できないのは、(その)人がやろうとしないからだ。」
「何かを成し遂げようと思ったら、まずは行動しなさい」という意味です。
「ことわざ」や「古人の言葉」には物事の本質が歌われています。
いつも大人の顔色をうかがい、自分に自信がなかった私。
多くを語らず、古人の「言葉の力」で背中を押してくれていたのだと思います。
悩み多き時代、悩みのない人はいないでしょう。
一つの問題が解決すればすぐに次の問題が出てきます。
それを問題と取るか、試練と取るか、苦しみと取るか、挑戦と取るか。
受け取り方で意味が違ってくることもあります。
思考の迷路にはまってしまったら、
「なせばなるなさねばならぬなにごとも」
そう呪文のように唱えます。
「まず動くこと」
「やればできる」と信じて。