昨年、高校の同窓会がありました。
私の通っていた高校では卒業後、30年後に大同窓会が開催されます。
同窓会実行員会が立ち上げられ、それぞれのクラスに実行委員を置いての大規模開催です。
比較的近くに住んでいる友人以外はほぼ30年ぶり。
取り立てて仲の良いクラスという訳でもなかったことに加え、仕事が忙しい時期の開催だったので、迷っていました。
そんな時、親しい友人の一人が病気で亡くなりました。
会えるチャンスがあった日に私は自分の都合で会わなかったのです。
いつかまた会えると思っていたから。
彼女の死をきっかけに、いつでも会えるとは限らない。
会える人には会える時に会おう、そう心に決めました。
同窓会には時間を作り、参加しました。
あの頃、ほとんど話さなかった(本当は話してみたかった)男子たちにも声をかけられたし、ちょっと苦手意識を持っていた(心の中では憧れていた)彼女たちとも話ができました。
話してみて、純粋に楽しかった。
あの頃感じていた心の中の壁は私が作っていただけかもしれません。
級友は不思議なもので、30年の空白もすぐに埋まってしまいます。
すぐにあの頃に戻る。
クラスで一緒に黒板を見上げていたあの頃に。
先生に隠れてサボっていた部活での出来事。
キャンプで余計なものを持って行って先生に怒られたエピソード。
文化祭で面白いダンスを踊った時の苦労話や失敗談など。
次から次へと出てきました。
私が忘れているような記憶、知らなかった記憶まで共有することができました。
そこには何の隔たりもなかった。
現実社会で起きているような隔たり。
誰もが平等でお互いを尊重していた。
あの頃のように。
また会おう。
コロナがあり、自然災害があり、これまで想像していないような様々な事が起こりうるこの世界。
やりたいことは今やる。
会いたい人には会う。
「いつやるの?」
「今でしょう!!」
改めて感じるこの頃です。
不思議なことに、
一緒に過ごしていた時間があの頃より愛しく感じられました。
あの時、感じていたの漠然とした憂鬱さえも。
・・・大人になったからでしょうか。