月曜日の夜、それは起きた。
会社を出て、駐車場に停めてある車まで行こうと建物の角を曲がったその瞬間、雪に滑り、大転倒!!
今晩のおかずは何にしようかな?なんて呑気に考えていて、雪が積んであることに気が付かなかったのだ。
あと1mもいけば自動で電灯がついたのに。
誰なの?!
ここに雪を積んだのは?!
・・・私か。
滑った瞬間、思わず左手が出たのだけれど、それだけでは自分の体重を支えきれず、右のおでこと頬をうっすらと雪の乗ったアスファルトに打ち付けた。
右手よ、なぜ出てくれなかった??
顔面を打ち付けた瞬間、目から本当に火花が飛び散った。
誰もいない駐車場であったが、私は恥ずかしさのあまり、飛び起き、何事もなかったかのように会社へ戻った。そして顔を流水で洗い流し、何度も何度も水を手ですくい、顔を冷やした。
以前、転んで顔を打った母や義母や祖母の顔を思い出す。
転倒直後から腫れ始め、内出血のために、翌日には四谷怪談に出てくるお岩さんのような顔に・・・(失礼なことを言ってごめんなさい!!)。
とにかく転倒して顔を打ち付けると、後がひどいことになってしまうのを何度か見ていたので、それだけは何としても避けたかった。
そしてふと頭によぎった今週末の小学校の同窓会のお誘い。
50歳という節目の歳のせいか今年は同級会ラッシュ。
もちろん参加希望を出していたのだ。
もし腫れてしまったら、会えない!!
家に帰って家族に心配されながら、私は冷やし続けた。
寝ている間も寒くて寒くて仕方が無かったけれど、時々、水をすくって顔を濡らし、濡れたタオルで夜通し冷やし続けた。
翌日・・・
冷やす事はなんて効果的なんだろう。
目尻の所に赤紫の点と頬に直径2cmの赤い円が薄らあったが、腫れは軽度であり、メガネとマスクで何とか出勤可能な状態となっていた。
子供には殴られたみたいになっていると言われたが、気にせず、メイクもする気になれず、そのまま出勤した。社員の二度見とガン見に気付かないふりをしつつ、1日を過ごした。
努力の成果もあってか土曜日の同級会には参加可能状態まで回復した私の顔面。
「痛い思いをしたんだもの、せめて話のネタにしなくちゃね。」
友人3人に転倒の様子を事細かく話した私だったが、若い頃とは違い、そこには同情が色濃くあった・・・。