子供には子供なりの理由がある
長男は小さい頃からよくしゃべる子供だった。
ひたすら好きなことを話す。
保育園のことは話さない。
友達のことも、先生のことも話さない。
好きな言葉やフレーズをひたすら話しまくる。
ただただ一方的に。
そして大抵、私にそのワードを繰り返し言わせる。
また話をしていても急に頭に浮かんだことを話し始めるので会話が成り立たない。
今考えればそれが発達上の特性というものであるが、その頃はそれがわからなかった。
長男には失礼な話だが、私はある時、旦那に言った。
「宇宙人と話しているみたいで話が通じない」
真剣に伝えたつもりだったが、「男は単純な生き物だから、気にするな」と的外れな答えが返ってきたのを覚えている。
後から長男にその頃のことを聞くと、ちゃんと理由があった。
好きな言葉やフレーズ
「耳にすると気持ちいから」
「落ち着くから」
一方的に話し続ける
「頭に浮かんだことをすぐに話さないと忘れてしまうから」
話に割り込む
「忘れないうちに話さなきゃいけないと思うから」
なるほど。そうだったんだ!!
理由が分かったら妙に安心した。
また保育園の頃は担任の保育士さんからよく呼び出されていた。
少し口調の強い先生で、今日も呼び出されるんじゃないかと毎日ビクビクしていた。
その頃、登園しぶりは送り迎えをしていた私の方だった・・・。
プールの中で皆が右回りに回っている時に一人だけ左回りに回ったことがある。
私は「どうしてそうしたの?」と聞いた。
「自分が反対方向に動くと水がどう動くかやってみたかったから」
うーん、なるほど。
それは危険も伴うので注意はいたけれど(もちろん、その前に先生からもこっぴどく怒られたらしい)、そんな理由があったのかと内心驚いた。
長男が自分のことを少しずつ客観的に見れるようになった頃、会話の中で「少し話が変わるけど」とか前置きするといいよと教えた。
彼はその前置きをうまく使い、今は会話もスムーズになっている。
子供には子供なりの理由がある。
そして特性を抱えている子は特に行動が目立ってしまうけれど、方法を伝えていくと経験の中から学んでいくことができるのだと思う。
成長をしている長男からするとこの頃、私もかなり話が飛ぶらしい・・・。
今では長男から教わることも多い。